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<印版手:銅版転写による明治から大正期の火鉢> |
図1 図2 印版手の焼き物は、明治以降の産業革命の進展によって大量に作られるようになりました。 |
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<蒔絵火鉢:芸術と実用の融合> |
図3 図4 木製のくり貫き火鉢に、高蒔絵を施したものが希に見受けられます。旧蔵しているお宅の多くが、医師、あるいは豪商の場合が多く、
当時それなりに値の張る贅沢品だったのだろうと考えられます。 |
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<海鼠火鉢:信楽焼の製品群から> |
図5 図6 海鼠火鉢は、信楽焼を代表する製品で、多種多様な色合いと形が魅力です。 信楽が再び脚光をあびるようになったのは、明治の中頃から作りはじめられた海鼠釉の火鉢によってでした。 大正から昭和初期にかけて、火鉢は信楽の主要製品となり、一時は、全国の火鉢の九割を生産し、 火鉢専用の八トン貨車が、毎日、四十車両走っていたといわれています。 駅のホームは貨車の順番待ちの火鉢でいっぱいで、一般乗客は、 火鉢の隙間をぬってホームを歩かねばならなかったほどの盛況振りでした。古手の信楽火鉢は、海鼠釉よりもう少し透明感のある釉薬がかかっていて、趣が異なります。 詳細は別項に譲ることにしまして、まず形について説明したいと思います。 図5は、左から順に古い時代のものと推測されます。宣徳型とは、中国の明代に作られていた、 宣徳銅器の形を模した物で、唐金火鉢に多く見られる形です。破損している物が多く、 完全な形の物はほとんどありません。火鉢裏面の高台内部に、所有者により年号記入されている場合、 幕末から明治の元号が多く、現存の状況からもこの時代のものと考えて差し支えないと思います。 ・宣徳火鉢(唐金)の例 http://www.kyoto-shijo.or.jp/users/kyoto-shijo/dogu/Dogu20.html 明治型とは、台座付の球形のもので、火箸をさす穴が開いているのが特徴です。現在も信楽で生産が続いており、 また、このような呼称が用いられているので、そのまま参照しました。なお、かなり長期間作られた模様で、 昭和になってから作られた物も少なくありません。 昭和型とは、現存している海鼠火鉢のほとんどを占める形で、昭和20年代の最盛期に作られた物と推測されます。 明治型と対応させるために昭和型と便宜上名付けましたが、面取りされた八角形は、幕末から作りつづけられている定番の形です。 面が取られていない丸型のものも含め、5センチほどの袖が特徴です。図6はその他の形の例で、ご参考までに。 次に色ですが、定番の青の他に、茶、灰、緑、黒があります。黒は幕末出来の物を一度しか見たことがありませんが、 楽焼のような感じです。時代と色の関連性を見るならば、古い順に、黒、灰、緑、茶、青という感じでしょうか。 青だから時代が新しいと言うわけでもなく、明治から大正出来の古い物も存在します。当時は製品の寿命が長く、厳密な判断は難しいです。 図5の中、図6の左は、すだれ掛けと呼ばれる信楽民陶の例で、やはり比較的古手の物に多く見受けられます。 |
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<金工品:灰ならし類を中心として> |
図7 図8 今回は火鉢から少し離れて金工品の話題を。火箸、五徳、灰ならしは、火鉢とは切っても切れない品なのですが、金属という性質上、
本体と比べて残存数が少ないのが特徴です。ただ、現在も細々と生産が続き、入手は可能です。ただ、流通在庫に近い物も多く、
入手できる意匠は限られる感じです。 北の方から申しますと、まず青森県の炉金といういろりに置く五徳のようなものや鉄の錠前、 鉄瓶といえば南部というほどここの鉄瓶は有名で物もいいのです。…中略…。岩手県では、このほか五徳や灰ならし、 火箸のほかあらゆる種類の鋳物が作られています。 山形市は金工品の本場で銅町などという名があって、街の両側には今でも金工品の店が軒をならべています。 店の奥は殆んど工場になっていてふいごで火をおこしたり、鉄を打ったり、鋳物工場では型に原料を流し込んだりしているのが見られます。 …中略…。吉原五徳という五徳は昔どこの家にもあった長火鉢に使われた物ですが、鉄の桟が動くようになってる便利な品です。 山形にはこのほか鍋、自在かぎ、灰ならし、火箸等のあらゆるものが出来ます。真鍮の製品でもおもしろいものがあり、 それはやはり釜、釜敷、火箸、灰ならし等ですが、「火の用心」とすかしを入れた灰ならしなどは捨てがたいものです。 これらの金工品は秋田県横手でも作られており、この付近で見かけるわたしという炉に使う五徳のようなものはなかなかおもしろく、 また雑草をとるための草とりは棒の片方がとがった三本の指になっている変わったものです。…後略…。今より30年近く前に出版された本の中でも、失われつつある民芸というニュアンスで紹介されており、 真鍮製の灰ならしの場合、現在流通している意匠は3、4種類と思われます。東北地方の古い金物店の在庫をあたれば、 もっとおもしろいものや、出来の良いものがある可能性があります。 |
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<ノリタケ火鉢:和洋折衷の不思議な魅力> |
図9 図10 図11 Royal Crockery"(高級磁器)の裏印が用いられたノリタケの製品、現代でもいただいた食器類がノリタケだと
ちょっと嬉しくなりますが、戦前のノリタケ製品の残存数や残っている旧宅の雰囲気から察するに、今よりも、
もっともっと高級な品だったようです。 |
次回はノリタケ類似火鉢についての情報を掲載したいと思います。お楽しみに