火鉢の種類
材質による分類
火鉢は長年にわたり、身近な日常の道具として使われてきたので、さまざまな材質の物が存在します。使われた地域の気候や嗜好の差が影響しているような感じです。
大きく分類すると、陶磁器系、金系、木系、石系に別れます。
陶磁器系の火鉢
いわゆる瀬戸火鉢と総称されるもので、全体の7割程度がなんらかの焼き物で作られています。
堅焼きと甘焼き
当店で扱っている瀬戸火鉢は、焼成の方法により、堅焼き(堅手)と甘焼き(甘手)に分類しています。堅焼きの特徴は、数度にわたり焼成を繰り返しているため、厚手で耐熱性に優れ、また、デザイン的に凝ったものがあります。
一方、甘手の火鉢は、工程の少ない分安価に製造でき、残存数がかなり多いのが特徴です。戦後に大量に作られたため、モダンな図柄のものがたくさんあります。
堅焼きの火鉢
堅焼きの火鉢としては、伊万里焼や久谷焼、備前焼等があります。当店では伊万里焼を主体として、3種類に分類しています。
浮き出し文様というのは、文様にそって凹凸がつけられているものを指しています。
染付とは、青系統の呉須(ごす)や色絵によって絵付けされたものを、
吹き墨とは、型紙を使用して青色や黒色等の絵付けをしたものを指します。
甘焼きの火鉢
甘焼きの火鉢としては、常滑焼、瀬戸焼、信楽焼等があります。甘焼きの火鉢も3種類に分類しています。
絵付というのは、染付等で文様が描かれたものを指します。主として、瀬戸、常滑の製品群です。
無地とは、各色の海鼠釉や吹き墨のみの着色で、絵付がされていないものを指します。主として信楽の製品群です。
陽刻・陰刻とは、彫刻、もしくは型押しによって模様が付けられている物を指します。常滑、備前の製品群になります。
金系の火鉢
いわゆる金火鉢(かねひばち)と総称されるもので、唐金、銅、鉄、ジュラルミンなどの材料が使用されています。
唐金は、真鍮や古銅と言った物の総称で、古いものはおおむね古色がついて、黒っぽい風合いになっています。
当店では、金火鉢ということで一括分類しています。
木系の火鉢
木製火鉢にはさまざまな材料が使われています。地域的な特色の出やすい品物のひとつです。比較的目にするものとして、欅(けやき)、桐(きり)があります。
形状の点から見ると、大きく3つに別れます。自然樹の主体として内部をくり貫いて金属製の落しをつけたくり貫き火鉢、箱状に加工した箱火鉢、
収納用の引き出し等をあわせた長火鉢になります。
石系の火鉢
石製の火鉢というと、李朝のものが代表的ですが、少数ながら日本製のものも存在します。関西方面の一部と東北方面の一部で使われていたのかと思います。